Claude Code、Codex、Gemini、Cursorの4製品について、2026年9月14日から9月18日までの公式発表を整理する。 前号(9月第2週号)の締めが9月13日15時(JST)だったため、同日午後以降の更新も本号で扱う。
今週の中心は、旧モデルと旧エージェントの移行期限が相次いで告知されたことである。 OpenAIはCodexからGPT-5.3-Codex-Sparkを外し、GPT-5.5を10月14日に引退させると告知した。 GoogleはAPIで提供するAntigravityエージェントの新版を出し、旧版を10月5日に停止する。 Anthropicは週次上限の50%プロモーションを終え、翌日から標準上限を25%引き上げた。
本記事は9月18日18時(JST)までに取得した公式チェンジログ、GitHub Releases、npmレジストリ、製品ブログ、ドキュメント、ステータスページ、当社宛の公式メールを一次情報として確認した。 日付は各社の表記(UTCまたはPT)に従うため、JSTでは翌日になるものがある。 各社が公表した性能値はベンダー自身の測定値として記載する。
今週の全体像
前号で「X投稿を出典とする報道のみ」と書いたClaude Codeの週次上限の25%引き上げは、公式サポート記事で確認できた。 Claude Codeのnpm安定版チャネルも2.1.236から2.1.267に進み、Claude Fable 5.1に対応した版が安定版に降りた。
期限が決まった移行は3件ある。
10月1日にOpenAI APIの gpt-5.4-cyber が停止し、10月5日にGemini APIの旧Antigravityエージェントが停止し、10月14日にChatGPTとCodexからGPT-5.5が引退する。
GPT-5.3-Codex-Sparkは予告期間なしで9月14日に提供を終えた。
長期タスクを任せる機能では、AnthropicがClaude Codeのプロジェクト機能を作り直した。 コーディネーターが目標を並列のスレッドに分けて委任する設計で、前号で扱ったCursorのProjectsと同じ方向を向いている。 CursorはProjectsの提供条件をdocsに明記し、Enterpriseプランを対象外とした。
Cursorは今週、changelog、ブログ、価格docsのいずれにも更新がなかった。 ステータスページの記録6件のうち5件がxAIのモデルかGrok Botに関するものである。
Claude Code(Anthropic):上限の恒久引き上げと安定版の前進
Claude Codeは対象週に2.1.271から2.1.276までの6本をリリースした(公式changelog)。 モデル、既定モデル、価格を変えた版はない。
週次上限のプロモーションは9月13日に終了した。 公式サポート記事は9月14日付で更新され、「2026年9月14日から、Pro、Max、Team、シート制Enterpriseの各プランでClaude Codeの週次上限はプロモーション前より25%高い」と記す。 5時間単位の上限はプロモーションの対象外だった。 50%増しの期間と比べれば上限は下がるため、5月以降に上限いっぱいまで使っていた利用者は使い方の見直しが要る。
npmの安定版チャネルは2.1.267になった。 Fable 5.1は2.1.257で追加されたので、安定版でもFable 5.1を使える。 移動した日はnpmが記録しないため特定できない。
リグレッションの修正は2本ある。 9月18日の2.1.276は、前日の2.1.275でLLMゲートウェイやプロキシ経由の構成の全リクエストが失敗していた問題を約5時間後に直した。 ゲートウェイ経由の構成が壊れたのは、9月8日の2.1.265に続いて2週間足らずで2回目である。 2.1.275はVS Code拡張で2.1.269から入っていた不具合も直している。
機能面では、9月14日の2.1.271がリモートのクラウドセッションで高速モードを使えるようにし、Proプランでのワークフローの既定規模を小さくした。 同じ版で、長時間の監視処理に最長30分の期限が必ず付くようになった。 9月15日の2.1.273は、コンテキスト使用量を実際の約2倍に数えて自動圧縮が早く走っていた不具合を直した。 9月17日の2.1.275は、claude.aiのアカウントで有効にしたスキルとプラグインを端末のセッションに同期するようにし、npm経由のプラグインでインストールスクリプトを実行しないように変えた。
製品面の発表は2つある。 9月17日、Claude Codeのプロジェクト機能がベータとして作り直された(ブログ)。 コーディネーターが目標を並列のスレッドに分け、各スレッドは独立したブランチ上のクラウドセッションとして動く。 提供はクラウドセッションを使う一部のPro、Max利用者から始まり、翌週にかけて広げる。 TeamとEnterpriseは後日で、ウェイトリストがある。 9月16日にはCoworkとチャットを1つのClaudeに統合すると発表し、Pro、Maxから数週間かけて展開する(ブログ)。
Platform側では9月14日、Messages APIで会話の圧縮を任意のタイミングで要求できる機能がベータになった(リリースノート)。 アプリ側では9月15日、Salesforceとの連携プラグインが全有料プランでベータ公開された(リリースノート)。
ステータスページの記録は3件である。 前号で未解決とした「Windows版Claude Coworkの機能劣化」は、MicrosoftのWindows Updateで解消し、9月14日に解決済みとなった。 9月15日にFable 5.1とMythos 5.1のエラー増加が約1時間半、9月16日にGoogle Play経由の課金の不具合が約30分あった。 Claude Codeを対象とした記録はない。
Codex(OpenAI):Codex-Sparkが終了し、GPT-5.5の引退日が決まった
Codexのchangelogは9月14日付で、研究プレビューのGPT-5.3-Codex-Sparkがデスクトップアプリ、CLI、IDE拡張のいずれでも使えなくなったと告知した。 このモデルを指定している設定やスクリプトは書き換えが必要で、OpenAIは速度が必要な場合は対応モデルの高速モードを使うよう案内している。
同じ日に、GPT-5.5をChatGPT、ChatGPT Work、Codexから2026年10月14日に引退させると告知した。 全プランが対象で、OpenAI APIのGPT-5.5には影響しない。 ChatGPTアカウントでCodexを使っている場合は、既定モデル、管理設定、カスタムエージェント、定期実行タスクの指定をGPT-5.6 Solに切り替える必要がある。 同じ告知はモデル一覧と料金ページの冒頭にも載っている。
Codex CLIの安定版は9月17日の0.155.0の1本である(GitHub Releases)。 実験機能として音声での対話が入り、エージェントの一覧画面でタスクの非表示、アーカイブ、削除ができるようになった。 対応するMacではMCPの要求にTouch IDでの確認を挟めるようになり、WSLの制限付きサンドボックスからWindows側のプロセスに抜けられた問題が修正された。 アルファ版は同期間に21本出ている。 Python SDKの0.155.0は執筆時点で未公開である。
前号で確認できなかったGPT-6 AstraのPlusプランでの提供は、料金ページに記載があった。 Codexでの目安は5時間あたり5〜45メッセージで、Pro 5xは25〜225、Pro 20xは100〜900である。 この行がいつ追加されたかは過去のスナップショットがなく特定できない。 通常のChatGPTでPlusがAstraを使えるかは、openai.comとヘルプセンターが取得できず確認できていない。 GPT-5.6 Solのプロモーション価格は「少なくとも11月21日まで」と記載されている。
API側では9月15日、組織とプロジェクトの単位でAPIキーの新規作成を制限できる管理機能が入った(API changelog)。
非推奨の新規告知はなく、前号の gpt-5.4-cyber(10月1日停止)が最新である。
ステータスページでCodexを名前に含む記録は2件ある。 9月13日のGitHub障害に起因するレビュー投稿とPR作成の失敗は、影響範囲にデスクトップ版Codexを含む。 9月14日の「CodexとChatGPT Workのエラー増加」は、影響コンポーネントの指定がない。 9月14日には前号で扱ったAgents APIでも処理の遅延が記録された。
Gemini(Google):旧エージェントの停止日とCLIの挙動変更
Gemini APIのchangelogには対象週に2件の記載がある。
9月15日に音声対話用のGemini 3.8 Liveと、その推論強化版がGAになった。
9月17日にはAPIで提供するAntigravityエージェントの新版 antigravity-preview-09-2026 が公開され、旧版の antigravity-preview-05-2026 は10月5日に停止する。
新版は組み込みツールの引数の形式とファイル編集の方式が変わったため、ツールをローカルで実行している利用者は呼び出し側の修正が要る。
リモートのサンドボックスで出力だけを読む構成なら、エージェント名の変更だけで済む。
Agent Platform(旧Vertex AI)では、9月16日にコード修正エージェントCodeMenderの既定モデルがGemini 3.8 Flashになった(リリースノート)。
同日、エージェントの推論過程とツール呼び出しを非同期に監査する異常検知機能がプライベートプレビューになった。
9月14日には gemini-2.5-flash-image の引退日が10月2日から2027年3月15日に延びた。
Antigravityのデスクトップアプリは9月15日に2.14.0を出し、EnterpriseとBusinessのアカウントで統合ターミナルとGitのバージョン管理を使えるようにした(changelog)。 一時的なサービスエラーで会話が終わらず、約12分間再試行するようにも変わった。 前号で「Antigravity IDE 2.13.0」と書いた版は、changelog上は「Antigravity 2.0」の項目に載っており、デスクトップアプリの版である。
Antigravity CLIは9月15日から18日まで毎日リリースし、1.2.3から1.2.6の4本が出た(GitHub Releases)。 9月18日の1.2.6は、非対話モードの既定タイムアウトを5分から無制限に変え、失敗時の終了コードを1から3に変えた。 終了コードで成否を判定しているCIのスクリプトは影響を受ける。 同じ版で、セッションごとにリモートから操作する機能も加わった。 changelogページのCLIの項目は1.2.0で止まっており、1.2.1以降はGitHub Releasesでのみ確認できる。
OSS版のGemini CLIは9月15日にv0.60.0(安定版)とv0.61.0のプレビュー版を出した(GitHub Releases)。 安定版はWeb取得先の検証やMCPのOAuthの検証強化など、ほぼセキュリティ修正で占められる。 前号で追うとした、明示したGemini 3.8 FlashのモデルIDを既定モデルに置き換えない修正は、プレビュー版に入り安定版には入らなかった。 週次の周期どおりなら次の安定版で入る見込みだが、公式な予定は出ていない。
Gemini Code Assistのリリースノートに対象週の記載はない。
Cursor(Anysphere):更新なし、Projectsの対象プランが判明
Cursorのchangelogとブログは、9月10日のProjectsが最新のままである。 CLIのchangelogも8月26日が最新である。 価格docsは9月9日のスナップショットとバイト単位で一致し、モデル、価格、プラン条件に変更はない。 前号で追うとしたGPT-6 Astraは、引き続きモデル表に載っていない。
前号で「対象プランと課金の記述がない」としたProjectsは、docsに提供条件が載った。 全ユーザーに順次展開中だが、Enterpriseプランでは使えない。 旧来のPrivacy Modeを有効にしている場合も、Cloud Agents上で動くため使えない。 Projects固有の課金の記述はない。 Cloud Agentsは選んだモデルのAPI料金で課金されるとdocsにあり、Projectsもこれに従うと考えられるが、明記はない。
ステータスページの記録は6件である(status)。 9月14日から17日にかけて、Grok 4.6の劣化が2件、xAIモデル全般のエラー増加が1件、Grok Botの応答停止が2件あった。 9月16日のGrok Botの停止は約6時間半続いた。 残る1件は9月17日のCloud Agents、Automations、Review Agentsの劣化で、復旧まで約3時間かかった。
横断的に見える3つの傾向
1. 移行期限が10月前半に集中した
10月1日、5日、14日と、2週間のうちに3つの停止と引退が並ぶ。 GPT-5.3-Codex-Sparkは予告なしで終了した。 設定ファイル、カスタムエージェント、定期実行タスクにモデル名を直接書いている組織は、10月前半までに棚卸しを済ませる必要がある。
2. コーディネーター型の長期タスク機能は、法人プランが後回し
AnthropicとCursorが、書かずに委任するコーディネーターを中心にした機能を相次いで出した。 どちらもクラウド上の実行環境を前提にしており、Claude CodeはTeamとEnterpriseへの提供を後日とし、CursorはEnterpriseを対象外とした。 統制や監査の要件が重い組織ほど、この種の機能を使い始めるのは遅くなる。
3. 自動化の前提を変える更新が混ざる
Antigravity CLIは終了コードとタイムアウトの既定値を変え、Claude Codeはゲートウェイ経由の構成を2週間足らずで2回壊した。 Claude Codeの長時間監視処理には期限が付いた。 いずれも対話で使う分には目立たないが、CIや社内ゲートウェイに組み込んだ構成では動作が変わる。 安定版チャネルかバージョン固定で、更新のタイミングを自分で決める運用が引き続き現実的である。
まとめ:数字で見る9月第3週
- Claude Code:6リリース(2.1.271〜2.1.276)、うち2本がリグレッション修正を含む。安定版チャネルは2.1.267に前進。週次上限は9/14からプロモーション前比25%増で恒久化
- Codex:CLI安定版1本(0.155.0)、アルファ21本。GPT-5.3-Codex-Sparkは9/14に終了、GPT-5.5は10/14に引退
- Gemini:Gemini 3.8 Live GA(9/15)、Antigravityエージェント新版(9/17、旧版は10/5停止)。デスクトップアプリ1本、CLI 4本(9/15〜9/18連日)、OSS版安定版1本
- Cursor:changelog、ブログ、価格docsとも更新なし。ProjectsはEnterprise対象外と判明
- 障害記録:Claude 3件、Cursor 6件(うちxAI、Grok関連5件)、OpenAIのCodex関連2件
- 10月の期限:10/1
gpt-5.4-cyber、10/5antigravity-preview-05-2026、10/14 GPT-5.5(ChatGPT、Codex)
調査の限界
- openai.comとhelp.openai.comはアクセス制限で本文を取得できず、通常のChatGPTでのGPT-6 AstraのPlus提供は確認できていない。Codexの料金ページにPlusの行が追加された日も特定できていない
- Claude Codeの安定版チャネルが2.1.267に移った日と、Fable 5.1を安定版で実際に動かした結果は確認していない
- Claude Codeの公式週次ダイジェストは第37週分まで公開されたが、第38週分は未公開で、changelogとリリース本文に依拠した
- CursorのProjectsのdocsが提供条件を記載した日は、アーカイブがなく特定できていない。changelogはCDNのキャッシュを経由しており、直近12時間ほどの追加は反映されていない可能性がある
- Antigravity CLIの1.2.1以降はchangelogページに未掲載で、GitHub Releasesのみを根拠にした
- Gemini 3.8 Liveの価格は確認していない
- 障害の原因は各社とも非公表のものが多く、公表されたもの以外は推測を避けた
主要出典一覧
- Claude Code changelog: https://code.claude.com/docs/en/changelog
- Claude Code weekly limits promotion: https://support.claude.com/en/articles/15910845-claude-code-may-august-2026-weekly-limits-promotion
- Claude Code projects redesigned: https://claude.com/blog/projects-redesigned
- Cowork is now Claude: https://claude.com/blog/cowork-is-now-claude
- Claude Platform release notes: https://platform.claude.com/docs/en/release-notes/overview
- Claude app release notes: https://support.claude.com/en/articles/12138966-release-notes
- Claude status history: https://status.claude.com/history.atom
- Codex changelog: https://learn.chatgpt.com/docs/changelog
- Codex GitHub Releases: https://github.com/openai/codex/releases
- Codex Models / Pricing: https://learn.chatgpt.com/docs/models / https://learn.chatgpt.com/docs/pricing
- OpenAI API changelog / deprecations: https://developers.openai.com/api/docs/changelog / https://developers.openai.com/api/docs/deprecations
- OpenAI status history: https://status.openai.com/history.atom
- Gemini API changelog: https://ai.google.dev/gemini-api/docs/changelog
- Gemini Enterprise Agent Platform release notes: https://docs.cloud.google.com/gemini-enterprise-agent-platform/release-notes
- Antigravity changelog: https://antigravity.google/changelog
- Antigravity CLI Releases: https://github.com/google-antigravity/antigravity-cli/releases
- OSS Gemini CLI Releases: https://github.com/google-gemini/gemini-cli/releases
- Gemini Code Assist release notes: https://docs.cloud.google.com/gemini/docs/codeassist/release-notes
- Cursor changelog / blog: https://cursor.com/changelog / https://cursor.com/blog
- Cursor Projects docs: https://cursor.com/docs/agent/projects.md
- Cursor Models & Pricing docs: https://cursor.com/docs/models-and-pricing.md
- Cursor status history: https://status.cursor.com/history.atom
(2026年9月18日時点の情報に基づく。価格と提供条件は各社の告知により変更されることがある)
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